【完】クールな君に告白します



あの頃、輪の中からはみ出したくない私は自分の心を守るため、梶先輩を傷つける言葉を吐いた。


……けど。

今の春風さんは、たった一人で、戦っている。

スカートを握る手が震えているのがわかる。


それでも、怖くても、春風さんは弱さに負けたりしない。



「アンタのその可愛い顔、傷つけてやる……って、言っても?」


「な……っ、」


「とりあえず歯食いしばってれば耐えれるでしょ?」



それは、暴力では………!?

慌てた私はいてもたってもいられず、春風さんを目の敵にする先輩達のそばに早足で歩み寄る。



「あのぉ………お取り込み中にすみません……」



< 426 / 563 >

この作品をシェア

pagetop