【完】クールな君に告白します



お化け役に任命された私のために舞ちゃんが作ってくれた黒いノートを、そぉっと差し出せば、先輩達はギョッとする。



「はい。実は、以前このノートに春風さんの名前を書いたところ……春風さんは、左足を怪我してしまったんです………」


「「「……………っ!!」」」


「………そこで、私には本当にその力があるのか……もう一度試してみたいのですが……」



先輩達は三人そろって大きく喉を鳴らした。



「どなたか、お名前を貸してはくれませんか……?」



じっとりと唇を広げて今日一番の笑みを漏らす。



「いっ、嫌……っ、嫌ぁああああああ………!!」



歯をガチガチと震わせると先輩達は悲鳴をあげて走り去っていった。


……自分でやったことだけど。


私の噂はそこまで人を怯えさせてしまっているのだろうか。




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