【完】クールな君に告白します
「わかってた。楓は何も悪くないって。なのに、わたしは楓に……残酷な言葉を吐いた……」
もう、息をすることさえ苦しそうに、三条さんは言った。
ーーー“楓が悪いんじゃない!”
国崎くんも、同じことを言っていたよ。
「わたしも楓もお互いを忘れる。それで、よかったんだって言い聞かせてきた……逃げることしか、方法がなくて」
「……、」
「今まで通り。わたしも楓も、お互い知らない人のふり。楓は今じゃ、学校の王子様だしね……」
無理して笑った声が今にも消えてしまいそう。
「でも、三条さんは図書室で……忘れてないって。椎名くんのこと……」
「……っ、」
忘れてないって言っていたのに……。