【完】クールな君に告白します
窓の外ではさっきよりも大粒の雪が降っている。
寒空の大地は少しずつ少しずつ白く染まる。
美術室の隣は渡り廊下を挟んで体育館で、ボールの弾む音が美術室に微かに響いて聞こえた。
本当に、お互いの存外を消すことが正しいのか。
答えなんて見つけられるはずもない私は、ひたすら窓の先を見つめた。
少し離れた場所、その前の道を何人かの人達が歩いていて……。
視線の先にある場所を見つけたその瞬間、私は気づいてしまったことがある。
思い出した言葉がある。
ーーー“オレも、この場所嫌いじゃない”
三条さん、こんな偶然ってあるのかな。
私は、これが偶然だなんて思えないよ。
椎名くんがそう言った図書室から見えるのは、きっと、この美術室だったから。