【完】クールな君に告白します
自然と吐き出された白い息はゆらゆらと宙を彷徨って、消えていく。
今の私の言葉は、椎名くんを再び色を失った世界へと誘(いざな)ってしまうかもしれない。
傷つけてしまうかもしれない。
それでも………。
「……伝えたいことは、言葉にしないと伝わらないんだって、椎名くんが教えてくれたんだよ?」
再び交わる視線と視線、それを合図のように、私はゆっくりと椎名くんのそばまで歩み寄る。
ーーー“伝えたいのに、拒絶されたらって考えたら怖くて言えない……”
椎名くんの弱さに溺れてしまいそうな言葉。