【完】クールな君に告白します
・強引な優しさの温度
空気が不穏です………。
私の席の周りに誰も近寄らないのはいつものこと。
“やむを得ず、不気味ちゃんと同じ空間に三分以上滞在する場合は、決して目を合わせないこと”……。
その魔除けのような話をみんなが信じているせいか、誰も目を合わせてくれないのも、今までと何ら変わらないのだけど。
でも、今までなら、休みの日程を決める弾む声とか、流行りの恋愛小説で自分なら誰に恋をしたいだとか。
それからーーー。
「……椎名くんがっ?」
女の子の話の中心には、いつも、目を奪われてしまう程にカッコイイ、と騒がれるクールな王子様の名前が語られていたのに。