【完】クールな君に告白します
恐るべし、春風さんの情報網……。
というか、椎名くんの人気っぷり。
……私は改めて、そう思う。
正木さんが貸してくれた恋愛小説に目を通しながらも、私の頭の中は混乱を招いて爆発してしまいそうだ。
当事者の椎名くんは、“不気味ちゃんが好きなタイプなんだって!”と。
自らの問題発言が瞬く間に広がったお陰か……。
女の子達に囲まれることは今の段階はないけど、悲痛な恋心を抱えた眼差しを浴びる羽目になっていた。
それも、ついさっき……。
朝一番、下駄箱での“出来事”が、大いに関係している気がする。