【完】クールな君に告白します



「……指が……あの子の、指が。紅葉が……なんで、誰が、こんな酷い目に……」



病院のベットの上。

真っ白に包まれて放心した紅葉の指は、粉砕する程の怪我を負い、握る力が戻るまで、絵を描くことも一年程、諦めるように医者は告げた。



「…………オレの、せいです。オレが、」



君を守る術があったなら。

君を地獄に突き落とすこともなかった。


関われば、酷い目に遇うとオレ自身が一番わかっていたのに。



それでもーーー、



「ああそうだっ……!お前のせいだ!呪われた、お前のせいだぞ……!コンクールは諦めるしかないじゃないか!どうするつもりだ!この先もし、絵を、描けなくなったら……、」


「……っ、」


「お前さえいなければ……!!昔からお前なんかいなければよかったんだ!そうすれば……っ、」



ーーー紅葉が呪われることもなかったんだ。



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