【完】クールな君に告白します
「………ねぇ、楓」
……と。
君がオレの名前を呼んだのは、これっきり二度と声もかけるなときっぱり言い放った紅葉の親父が、これが最後だとばかりに部屋を出ていったあと。
次の日の朝。
眩しい陽射しを浴びた君。
包帯を巻かれて動かせずにいる痛々しい手。
もう、コンクールを諦めるしかない君は、真っ白なベットにその手を乗せた。
そして、未来を無くした瞳で真っ直ぐにオレを見つめる。
「わたし達……関わらなければ、よかったね」
……と。
酷く渇いた声……。
オレ達は、まだ……14才で。
どんな未来も描いていけるはずだった。