【完】クールな君に告白します



はっきりと月城はオレに伝える。

思い出すのは見つめることしか出来ない日々。


バスケ部を辞めて、それに対して怒りをぶつけた隼人を遠ざけたオレは、そうやって出来る限り誰とも関わらないように今まで以上に濃く線を引いてきた。


再び忘れようとした君を視界に映したのは、月城を図書室の窓辺で見つけるずっと前のこと。


いつものようにしつこい女達の声に、図書室の前で足を止めたオレが、その先には美術室が見えることに気づいた。


そこには、もう絵を描けなくなってしまった君が大きなキャンバスの前に座っていた。


中学卒業と同時にもう怪我は治ってる……と。


一方的に隼人が伝えてきて、何一つ返事をしなかったのはオレで。



< 474 / 563 >

この作品をシェア

pagetop