【完】クールな君に告白します
LAST *STORY
創立記念祭を明日に控えた今日、ほとんどの準備は無事に終わり、見慣れた教室は本当に屋敷としか思えない不気味な部屋と化した。
椎名くんとは一言も言葉を交わしていない。
昨日、あれから、ゆっくりと離れた手。
諦めないでと口にした私……。
だけど、私がそう言えたのは、自分の後悔した過去と向き合えたからだったんじゃないかな。
それなのに、未だ傷の癒えない椎名くんにそれを言ってしまったことを少し悔やんだ。
一人きりの不気味な教室に座る私の机の上には、椎名くんのために書く真っ白なままのPR用紙。
ーーー“あの時、お前なんかに……っ、声かけるんじゃなかった……!”
まだ、何も書けてない……。