【完】クールな君に告白します



「アンタなら……たくさん、椎名くんの良いところを、知ってるでしょ?」


「……、」


「それをみんなに伝えないでどうするのよ!」


「……春風さん、」



今度こそ、心底怒った顔で私に言い放つ春風さんの瞳は、いつになく真剣に私に訴えていた。


先日、春風さんが私に打ち明けた気持ち。


……改めて、春風さんは椎名くんのことが本当に大好きなんだと伝わってくる。


みんなに、椎名くんの良いところを知ってもらいたいって素直に言葉に出して伝えてくる。



「陽菜は、椎名くんのことが好きな女の子をたくさん見てきたんだから……っ、数えきれないくらい」


「……、」


「アンタだって、椎名くんのことが、好きなんじゃないの!?」


「……っ、」



少しの迷いもない春風さんの声は、真っ直ぐに私の心に響いた。



< 483 / 563 >

この作品をシェア

pagetop