【完】クールな君に告白します
「アンタ、椎名くんのことを目で追いかけてるでしょ?陽菜には、わかるんだからね!?好きだから……自分でも気づかないうちに見つめてるんでしょ?違う?」
「……、」
視線の先には、いつも、椎名くんがいて。
私の心の中は、いつの間にかこんなにも椎名くんで溢れてた……。
「自分の気持ちに嘘なんかつかないでよね!?」
春風さんの真剣な瞳と目が合って。
その声は過去の私にまで届きそうで……。
逃げてしまいたくなるその瞳から、私がまた逸らそうとすれば………、
「答えなさいよ……月城公花………!!」
「っ、」
初めて私を名前で呼ぶ春風さんの声。
鼓動が早鐘を鳴らして、同時に喉の奥が熱くなり、視界はみるみるうちに滲んでいく。