【完】クールな君に告白します
・嘘つきなカノジョ



ようやく鼻水も涙も止まった私に春風さんは、“新しい用紙をもらってきなさいよ!”と唇を尖らせた。



その言葉の通り。

濡れてしまった用紙じゃアピールポイントどころか、代表者の自分の名前も書けないと思った私は職員室でそれを受け取って廊下を出た。


あ……。

下駄箱まで歩いていると絵の具の匂いが鼻を刺した。


そうすれば、こないだ美術室を訪れた時に気になったことが頭に浮かんだ。


その行方を探すように再び足を進める私は、迷わずに美術室へと向かった。


相変わらず静寂に包まれた美術室。

きっと、いるだろう。


さっきよりも鼻孔をくすぐる絵の具の匂いに中を覗いた私は、その瞬間、息を呑んだ。



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