【完】クールな君に告白します



春風さん……。

椎名くんの好きなタイプーーーイコール不気味ちゃんが好き、という話を信じる春風さんの敵意がすごい……。



「……あの、」



そっと口を開くものの、寒さから身を守るために鼻までぐるぐる巻いたマフラーのせいで、声がくぐもっている。



「もしかして……椎名くんの弱味とか、そんなものでも握ったんじゃないのっ?」


「な、何それっ。つまり、脅しってこと?」


「……ん。あのナンバーワン・プリンセスに選ばれた陽菜ちゃんが告白してダメで、“不気味ちゃんが好きなタイプ”、だなんて本気で言うと思う……?」



女の子達の怒りに、違います……と言えたら。

かといって。

実は椎名くんは告白の練習相手なんです、とは口が裂けても言えないけれど。



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