【完】クールな君に告白します
「小学生の時から次々と、楓の周りでは不吉なことばかりが起きて……“呪われてる”って言われてた……楓のせいにしたの……」
残酷な言葉を吐いたと言っていたこと。
……“もういらない”と幼馴染みに言い放ったこと。
聞いているだけで、心が押し潰されそうになる。
「お父さんは“あんなことが起きたのはアイツのせいだ”って。だから……わたしが、あの日から絵を描けなくなってしまったのも仕方ないよって。ゆっくり描けるようになる日がくるといいねって、優しく言ってくれた……」
人は誰だって自分を守りたい時がある。
ーーー“お前のせいだ!お前みたいないい加減なヤツに未来を壊す権利があったのか……!?”
だけど、椎名くんの傷はずっとずっと深くて。
「……わたしは、そんな嘘でしか自分の弱さを守れなかった」
どうして人は、大切な人を大切に出来ないんだろう。