【完】クールな君に告白します
その言葉の通り。
小さな背中の後ろに隠されたキャンバスを視界に入れれば、三条さんの思いが形になって見える気がした。
「たくさん傷つけてしまったけど、楓に伝えたいことがあるんだ……。でもそれが出来なくて、こうして絵に描いてみた……」
大きなキャンバスに描かれた絵。
それは、今にも風が吹いて揺れ動くような鮮やかな“紅葉(こうよう)”だった。
「怖くて描けないふりをしてきたけど、わたしの色で描いていこうって思った……わたしには、楓がくれた言葉があるから」
ーーー“紅葉の絵を見たらオレにはわかるよ……”
とても大切そうに絵を見つめている。
「………わたしが、どうして月城さんに声をかけたか知ってる?」
「………え、と」
突然の質問に答えがわからなくて首を振る。