【完】クールな君に告白します
図書委員と勘違いされてしまったことは覚えていて、不気味ちゃんと呼ばれている私に酷く怯えていた。
怖がりな三条さん……それでも、私に声をかけた理由。
「この窓辺に立つとね、図書室が見えるんだよ?」
「……え、」
「わたしは、一度だけ……図書室の窓辺にいる楓と月城さんを見つけたことがあったの」
告げられた事実に私はただただ驚きでしかなくて。
だって、椎名くんは、いつもこの美術室を見つめていたよね。
「だから、楓と図書室にいた月城さんに声をかけたの。楓には、とても会えなかったから。だけど、どうしても会いたくて……あの日、図書室へ行ったんだよ」
まだ幼さの残る表情に少しの強さが入り交じって見える。
忘れられない気持ちは、二人一緒だったんだね。