【完】クールな君に告白します
「……でも結局。楓にあんな顔をさせるだけだった。今さら、何を伝えたいのって思われるよね」
そう言って自嘲気味に眉を下げて笑みを零す三条さんに、私は美しい絵から視線を移した。
「だ、だけど……椎名くんは、言ってました。伝えたいことがあっても、拒絶されたらって思ったら怖いって」
「っ、」
「そうやって椎名くんも、いつも葛藤していたんじゃないかなって……私は、思う。だけど、本当は……」
迷って、苦しくて、それでも忘れられなくて。
伝えたいことを、自分の言葉で伝えたいのに。
その一歩を踏み出すのが怖くて。
「もう一度、向き合いたいって……思ってる。きっと……」
「でも、わたしは楓のことを傷つ……」
「椎名くんは……っ、私に、教えてくれました……」