【完】クールな君に告白します



「………じゃ、じゃあ、照明落とすから、伝達役の子が入ってくるまでそこで待機よ!?」


「は、はい!」



春風さんとよく一緒にいる女の子は怯えた様子で私に声をかけると、「ヒィッ」と短く悲鳴を漏らして屋敷を後にした。


クラスメイトにさえいつも以上に怖がられてしまった私。


そこには小道具の血塗られた藁人形や、毛糸で作った蜘蛛の巣なんかもあって、私まで怖くなるくらい。


スモークがもくもくと焚かれ、それを合図に古く傷んだ扉の後ろに隠れた私はジッと待機する。



……そして。

パチンという音と同時に、暗幕に覆われた教室内の照明が落ちた。



「……あっ、」



大変だ………。


私、肝心な黒いノートを忘れてきちゃった……。


しかも、荷物を置く部屋として使っている隣の空き教室に。



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