【完】クールな君に告白します
騒然としたこの下駄箱に、割って入ってきた冷気の含む声に、女の子達の視線は一斉に向けられる。
「っ、……椎名くん、」
春風さんが、弾けるように愛しい王子様の名前を呼んだ。
ああ、もうっ、最悪………。
椎名くんは、煩わしいことから解放されたいのにまさか、こんなところを、本人に見られるなんて。
「春風、お前らな?呪いなんか、本当にあるわけねぇだろっ、」
あまりにも非現実的なことのせいか、呆れた口調でそう告げれば、椎名くんは短く溜め息をついた。
「……っ、聞いてたの、椎名くん?」
「嫌でも聞こえるって。大体オレは呪われてもないし、弱味も握られてねぇし、」
……と、椎名くん。