【完】クールな君に告白します



 * * *


「き、公花!見て見て……!王子がいるわよ!」


「えっ?王子………?」



もうほぼお祭り騒ぎのような校内を舞ちゃんと歩き回っていると、珍しく興奮した舞ちゃんの声に視線を移した。


“王子”……と言われてつい椎名くんを想像してしまう私。


だけど、そこは三年生の先輩のお店。


私のクラスのお化け屋敷に負けないくらいの人だかりが出来ている。



「あれは、執事という文字が書いてあるけど……」


「素敵……」



舞ちゃんの熱い視線を奪ったのは残念ながら王子ではなく、三年生の執事喫茶的なものらしい。


女の子達は黄色い声を発しながらどんどんそのクラスに吸い込まれていく。



「……っ、お前も来てたのかよ」



背後から不機嫌そうな声をかけられて振り向けば。



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