【完】クールな君に告白します
「オレは、紅葉の絵が好きだから」
再び見上げた絵。
心なしか滲んで見えるのは気のせいだろう。
「………ありがとう。この絵は、何度も描いたの。わたしの“色”を見つけられた気がするよ」
そう言って笑みを零す紅葉の綺麗な瞳が、どこか和らいでいくようで。
「この絵、どういう意味?これって、紅葉(こうよう)だろ?」
「うん。これ、わたしと楓の名前なの。二つの名前は、似ているようで実は全然似てないんだよ」
“楓”と“紅葉”……。
そんなこもを考えたこともなかった。
「楓の中で、特に色を変えていくものを紅葉って呼ぶの。知ってた?」
なんて、ちょっと得意気に答える紅葉はどこか誇らしくて。
「わたしも、そんな風に変わっていけたらなって思って描いたんだ。紅葉(もみじ)の花言葉ってね、ちゃんとあるんだよ?」
「花言葉?」