【完】クールな君に告白します
・初めての告白
いよいよ限定イベントが始まる時間が近づいて、お化け屋敷の片付けを終えたみんなが空き教室を出ていった。
私は、結局最後の最後まで書くことの出来なかったPR用紙を見つめたまま、戻って来ることのなかった椎名くんのことを考えていた。
机には、私の作ったお手製名簿。
椎名くんと話すきっかけになった呪いのリストと呼ばれたノートを、今は以前にも増して大切に思う。
その、椎名くんの名前のところに。
私は冠を乗せた椎名くんの似顔絵を描いて、その絵心のなさとクオリティの低さに自分でも悲しくなる程、笑いが零れる。
こんな絵を見たら、「下手くそ」なんて、怒られてしまうかもしれない。