【完】クールな君に告白します
まだ、微かに冷たさを残した風。
持ち主の言葉通り、他のクラスのヤツの名前まで記されていた。
ーーー“ほら、不気味ちゃんだよ……っ!!”
ーーー“目を合わせたらダメだったら!”
何度“不気味”だと言われても、何度、怖がられて逃げられても、めげずに友達を作ろうとする姿がオレには強く焼きついていた。
七不思議は増える一方で、いつまで経っても陰を背負う日々。
それでも、諦めることをしない月城は、オレの心を揺るがした。
ーーー“……どうしても、伝えたいことがある人がいて”
後悔を抱えた月城と時間を共有することで、自分の心が痛みを覚えて。
だけど、それは月城が逃げないでいるから。
逃げることで誤魔化してきたオレには、その姿が眩しかったんだ。