【完】クールな君に告白します



「あのぉ……正木、さんっ?」


「昨日貸した小説、読んでくれたんだね?」


「小説………?」



ーーー“クラスでも話題になってるから是非っ!”


小説、王子、総長様、主人公…………。


ハッーーー!!

“俺様王子と総長様に溺愛されて”……。


も、もしかして正木さんは椎名くんのことじゃなくて恋愛小説の話をしている!?



「わたし……なかなかこんな話出来る人いなくて。自分で言うのもアレだけど、秀才だとか言われてると、クラスの子の小説ネタの話に入れなくて……」



私の手を離すと、ヘヘッ、と意外な素顔を口にして笑った正木さん。



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