【完】クールな君に告白します
「椎名楓……?なんで、アナタが……っ?」
まさにそのままーーー。
私が心の中で思ったことを正木さんも驚いた声で呟くと。
「なに、簡単に連れてかれてんだよっ、」
つ、連れてかれてる……?
エントランスの角に手をついて、息を切らしたみたいに声を漏らす椎名くんは、眉をしかめると私を捉えた。
そして……グイっ、と掴まれたのは二の腕で。
「っ、し、椎名、くん……」
理解する隙を与えないまま私は正木さんのそばから引き離されてしまい、そのままぐんぐんと腕をひく椎名くんに反抗も出来ず。
「月城さん………!?」
あっという間に正木さんの姿が見えないところまで連れてかれてしまったのだった。