【完】クールな君に告白します
「……椎名くん。今朝も……今も……めんどくさいことをしてしまって、ごめんなさい」
「……お前が謝るな。結果的に、正木といるところ見て勘違いしたのはオレだ」
「けど、来てくれて、ありがとうございます……」
「っ、」
強引に掴まれたはずの腕が熱を帯びていく。
私はその勘違いに素直に嬉しいと思ったのに、やっぱり下を向いてしまって。
「だから……いちいち下向くなよな?礼を言うなら顔見て言えよ。いつもその前髪で、お前の顔よく見えない」
……と。
唇を尖らせた椎名くんの手は私の前髪を軽く、柔く、掴むように掻き分けた。