【完】クールな君に告白します



「……だって、ここには椎名くんがいるから」



微かに夕陽が照らす放課後の図書室。


あの日から私の告白が終わるまでは……ここに来る、と言ってくれた椎名くん。


有言実行というわけではないかもしれないけど、椎名くんは本当に毎日来てくれていた。


だから私はなんの迷いもなく、椎名くん、と名前を呼んだわけで。



「だから、後ろ姿で決めつけても違うヤツかもしれないだろ?」


「すみません……」


「敬語もまだ抜けないし?」



あ………。

ちょっと意地悪な椎名くんの口ぶりに、またやってしまったと思いながら静寂に包まれた部屋の中へと足を進めた。



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