キミ専属
カツーンッ
突然すぎる出来事に動揺した私は、手に持っていたスプーンを床に落としてしまった。
慌てて拾おうとする私を、裕紀先輩は制した。
そして、裕紀先輩は「すみません」と言って店員さんを呼び、駆けつけた店員さんに代わりのスプーンを持ってきてほしいとお願いする。
間もなくして私の元に代わりのスプーンが運ばれてきた。
「あ、ありがとうございます…」
絞り出したような声で裕紀先輩にお礼を言う私。
そんな私に裕紀先輩はこう言った。
「ごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど」
私はそれに無言で頷く。
続けて裕紀先輩はこう言った。
「でも本当のことだから」
「…!」
それを聞いて赤くなる私の顔。
中学の頃からどこか気付いていたのかもしれない裕紀先輩の気持ち。
それが確信に変わって私の頬を熱くする。
「梅ちゃんは今好きな人がいるんだろ?」
突然裕紀先輩が私に問いかける。
「はい」
私は小さな声で素直にそう言った。
すると裕紀先輩は「そっか」と一言呟いたあと、こう言った。
「そいつが嫌になったら俺のところに来て。絶対に梅ちゃんを幸せにするって約束する」
裕紀先輩はそんなドラマのようなセリフを言うと、自分の鞄から小さなメモ帳とペンを取り出し、さらさらと何かを書いた。
そして、メモ帳からそのページをちぎり私に手渡す。
受け取ったそれを見ると、裕紀先輩の電話番号とメアドが書いてあった。
あまりにも突然すぎる出来事の連続に私は既に頭の中が真っ白になっていた。
私はそれを誤魔化すかのように、さっき代えてもらったばかりのスプーンでムースを口に運ぶ。
『……あまい』
その後、店を出た私は1人で事務所に向かっていた。
外はもう真っ暗だ。
店を出る時、裕紀先輩は「夜道は危ないから事務所まで送っていくよ」と言ってくれたのだけど、どうしても1人になりたかった私はその誘いを断った。
ふと空を見上げると、都会なのに星が綺麗に見えた。
心がめちゃくちゃになっている私はそれを見て何故か涙をこぼす。
星が綺麗で泣いたのなんて初めてだ。
そんなに涙腺緩くないのになぁ。
私は事務所に着くまでの間に散々泣いてやろうと思い、泣きながら夜道を歩いた。
突然すぎる出来事に動揺した私は、手に持っていたスプーンを床に落としてしまった。
慌てて拾おうとする私を、裕紀先輩は制した。
そして、裕紀先輩は「すみません」と言って店員さんを呼び、駆けつけた店員さんに代わりのスプーンを持ってきてほしいとお願いする。
間もなくして私の元に代わりのスプーンが運ばれてきた。
「あ、ありがとうございます…」
絞り出したような声で裕紀先輩にお礼を言う私。
そんな私に裕紀先輩はこう言った。
「ごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど」
私はそれに無言で頷く。
続けて裕紀先輩はこう言った。
「でも本当のことだから」
「…!」
それを聞いて赤くなる私の顔。
中学の頃からどこか気付いていたのかもしれない裕紀先輩の気持ち。
それが確信に変わって私の頬を熱くする。
「梅ちゃんは今好きな人がいるんだろ?」
突然裕紀先輩が私に問いかける。
「はい」
私は小さな声で素直にそう言った。
すると裕紀先輩は「そっか」と一言呟いたあと、こう言った。
「そいつが嫌になったら俺のところに来て。絶対に梅ちゃんを幸せにするって約束する」
裕紀先輩はそんなドラマのようなセリフを言うと、自分の鞄から小さなメモ帳とペンを取り出し、さらさらと何かを書いた。
そして、メモ帳からそのページをちぎり私に手渡す。
受け取ったそれを見ると、裕紀先輩の電話番号とメアドが書いてあった。
あまりにも突然すぎる出来事の連続に私は既に頭の中が真っ白になっていた。
私はそれを誤魔化すかのように、さっき代えてもらったばかりのスプーンでムースを口に運ぶ。
『……あまい』
その後、店を出た私は1人で事務所に向かっていた。
外はもう真っ暗だ。
店を出る時、裕紀先輩は「夜道は危ないから事務所まで送っていくよ」と言ってくれたのだけど、どうしても1人になりたかった私はその誘いを断った。
ふと空を見上げると、都会なのに星が綺麗に見えた。
心がめちゃくちゃになっている私はそれを見て何故か涙をこぼす。
星が綺麗で泣いたのなんて初めてだ。
そんなに涙腺緩くないのになぁ。
私は事務所に着くまでの間に散々泣いてやろうと思い、泣きながら夜道を歩いた。