片想い
ガタゴトンッ

『△△〜△△〜』


とうとう着いてしまった

「それじゃあ、またね」

「ああ、またな」

立ち上がり、スーツケースを転がす


その時



「……田舎だけど、綺麗で良い町じゃん」


聞こえた言葉



彼が言ったのかしら

確かめる間も無く、私は列車の外に出る

出た途端に押し寄せてきた熱気と
セミの声に
少し眉をひそめる





ドアは閉まり、列車が動き出す







だんだんと遠ざかっていく列車




「……ありがとう」



ポツリと呟いた私からは

きっと

笑みがこぼれていただろう


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