片想い
話は、列車に乗る前に遡る


ローカルな路線だから

列車が来るのは1時間に1本くらい


不便だよねぇ…

なんて

駅のホームで彼と話しながら
7月の暑さを感じていた


うるさく鳴り響くセミの声も
彼と話していれば気にならなかった


私はなんとなく彼の足元を見て、

「荷物、少ないんだね」

と話題を振った


彼は

「ああ、俺この服と寝間着と下着と
……本しか持ってきてねーから」

と答える

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