片想い

「なぁ」
彼が突然口を開く

何だろう
「どうしたの?」

「服のセンス…いつも、すごく良いよね」

「えっ……本当?」
そんな風に思われていたとは知らなかった

知らなかったけど

やばい

嬉しい

急にかけられた言葉のせいで
私の頭の中は渦を巻き


自分の想いに、気が付いた



「うん。俺、紺と白合わせてる服めっちゃ好きなんだよね
その服似合ってるし、良いと思う」

照れているのかな
彼は窓の外に再び目を向けた



紺のフレアスカートに
白の半袖ニット



これからは紺色と白の服がクローゼットに増えるんだろうな、なんて思う


「……ありがとう」

ちゃんと笑えてるかな
赤くなってないかな
声は震えていないかな


ああ……


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