太陽が沈むまで
私は一睡も出来ず
目も閉じれなかった

そのうち外は明るくなって来た

六時になるとお父さんが仕事の支度をしているのが分かった

暫くして玄関を出る音が聞こえた

七時半になりいつもの様に
兄貴を起こし支度をして家を出た

この日は何も考えられなかった
友達と何を話したかも分からない

ただただ時間だけが私の心の中でチクタクしていた

時間が過ぎ学校が終わるとゆっくりゆっくり歩いた

気が付けば玄関の前

ゆっくり玄関を開けた

家の中は静かで
和室に行くとお母さんが居なかった

ずっと

ずっと

帰って来なかった



「ただいま」

「湧?お母さん居ない…」

「ふーん」

兄貴は興味無さそうに部屋に入って行った

「離婚…かな」

兄貴からの返事は無かった

一人夜ご飯を食べてぼーっとしていた

時間がとても長くて永遠にこのままなんじゃないかと思うくらいだった

時間を見ると既に九時になっていた

そろそろお父さんが帰って来る
何て言おう
そんな事で頭がいっぱいだった

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