太陽が沈むまで


何週間かたち、皆に転校の事を言わないままその日が来た


帰りのホームルーム
私は前に立ち先生が転校する事を告げた

「一言お願いします」

先生にいきなり言われ迷いながらも、頷いた

「短い間だったけど、皆と居る時間はかけがえの無い物になりました。いままでありがとうございます」

そう言い終わると皆が拍手をして花奈が立ち上がった

恥ずかしそうに前に出て来て私に色紙を突き出した

「連絡しろよっ」

「えっあっうん」

私は訳も分からず色紙を受け取った

「ごめんね阿久津。休んでる時、皆に説明して書いてもらったの」

先生はにっこり微笑むと机の中から花束を取り出し差し出した

「新しい学校では、ちゃんと勉強して沢山友達をつくりなさい」

皆からのサプライズは凄く心に響いた

最後のホームルームが終わり友達が沢山嬉しい言葉をくれた

みのりは声を出し泣きながら頑張ってって抱きついてくれた

皆皆優しくて

こんな良い学校だったんだ…
そう心から本気で思った


これが最後のこの学校の生徒としての日だった

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