太陽が沈むまで

体育館に入りざわざわと煩い中列の一番後ろに案内された

周りは興味深く私を見ていた
転校するのは二回目だが小学校の馴れ馴れしい感じとは違い又違う視線を感じる

始業式が始まり校長の話で私の名前が出た

違う制服が明らかに目立ち周りの視線が私に集中して何処を見て良いか分からなくなった


長い始業式が終わり教室へ入ると黒板にちゃんと私の席も書いてあった

席に座り周りからの質問に答えながら早く先生が来ないかと言う気持ちだった


「席に着きなさい。」

とぼとぼと仁科先生が教室へ入って来ると皆がガタガタと音を立てて席に着いた

先生の話を聞いているとどうやら仁科先生は今年入って来た新しい先生らしい

「後転入生が来たから紹介する」

私は先生に手招きされ教壇に立った

「自己紹介しなさい」

んーっと少し考えた後私は少し小さな声で言った

「家庭の事情で転校して来ました。阿久っ…宇津宮柚子です。宜しくお願いします」

阿久津と言いそうになりながらも自己紹介を終え席に着いた



< 17 / 30 >

この作品をシェア

pagetop