太陽が沈むまで

季節は夏を過ぎ秋になった

私は連休久々にお父さんの家に泊まりに行く事になり
胸を踊らせていた


ありやなぎからの遊びの誘いを断り電車でお父さんの家へ行った

懐かしい街を見て自然と笑みが溢れる

いつもの管理人さんにおはようございますと声をかけエレベーターに乗った
エレベーターを降りると何一つ変わらない風景で
玄関の前に立ち考えた
何と言って入ればいいのだろう

取りあえず鍵を開けて仲に入った

「来たよー」

キッチンに行きお父さんに声をかけた

「おーっ!久しぶり元気だった?」

そんな言葉を交して
昔私と兄貴の部屋だった扉を開けた
開けてびっくりした

大きい二段ベッドが無くなり
小さなシングルベッドにシンプルな机
テレビが無くなっていて変わりにパソコンが置いてあった

「凄ー」

「だろ?」

兄貴は笑った

「結構広いんだね」

「おうっ」

「湧は相変わらずだな」

私は私の前に立つ兄貴を見た
私と背は全然変わらず
寧ろ小さかった

「うるせーよ」

そう言って私の肩を殴る
全然変わらない

思わず笑ってしまった

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