LOVE物語
それから、学校では頻繁に発作を起こしていたけど、自分でコントロールできるようになってきた私は、他のみんなと同じように生活できた。

体育はできないけど。

それから、文化祭も無事に成功して私達、軽音楽部はベストパフォーマンス賞を校長先生から頂くことができた。

楽しい行事も終われば、嫌な三者面談の時期だな…。

1年の冬。さすがに進学校だけある。

もう、この時期から面談が始まるもんね。

担任の先生がホームルームを始めた。

「今から、プリントを配ります。来年から文系クラスか理系クラスか就職クラスで分かれるのでそのアンケートとして1日ゆっくり考えてきてください。その、アンケートで今回の三者面談は進めていきます。」

私は迷わず就職に丸をつけた。

別に、やりたいこともなければ夢なんてない。

それなら、お金を稼ぎたい。

先生から少しでも独立できるように。

だけど…憧れている人ならいる。

私は、その人みたいになりたい。

でも…そうなると…専門?大学?

いや、そんなの無理。学費なんて払えるわけない。

やっぱり、就職かな。

私は、プリントをファイルにしまって鞄の中に入れた。

尊先生に相談しなくてもいいよね…。

「それから、白石さん。ホームルームが終わったら前に来てくれる?」

「え?」

「お願いね。」

「あ、はい。」

なんだろう。私何かしたっけ?

それからホームルームが終わると私は先生の元へ行った。

「何ですか?」

「遥香ちゃんの面談は早めにやりたくて。大丈夫?」

「え?」

「あ、深く考えないで?今、一緒に暮らしている人と相談して?11月の24日から31日までの間がいいんだけど。」

「分かりました。」

みんなよりも1ヶ月も早い。

はぁー…。
尊先生にはなんて言えばいいんだろう…。

「じゃあ、気をつけで帰ってね。」

「はい。さよなら。」

「さよなら。」

重い足取りで、私はマンションへと向かった。

それから、リビングのソファーに座り込みしばらく眠ることにした。

嫌なことは眠ると忘れられる。

考えすぎても、頭が痛くなるだけだもんね。

それからすぐ私は深い眠りに入った。
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