LOVE物語
2.プロローグ side尊
俺は今年の春、小児科から呼吸器内科に移る子を担当することになった。

その少女は『白石遥香』

難治性の気管支喘息を患っていて低血圧。

それから俺をとどめにさしたのは家庭環境が荒れているということ。

それと、現在は1人暮らしをしていること。

しかも、退院以来ここには来てなくて半年も経つ。

こんなにも長く来ていないとさすがの俺でも心配になる。

この子は今、生きているのだろうか?

それさえも、確認できないのか。

前の小児科の担当医は山城先生。

山城先生なら、おそらくこの子の心のケアをしてきたはず。

それなのに、どうして来ていないんだろうか。

明日、高校に行ってみるか。

待て、冷静になれ。

患者にここまで立ち入ってどうする。

でもな、未成年だしな…

これでなにかあったら俺の責任にもなってくるし、行ってみるか!

この時はまだ、知らなかった。

俺が、年の離れたその子に本気で恋をするなんて。
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