聖なる夜に…
「聖ちゃん」
俺を呼び止める美亜。
振り向くと、俺の様子を窺うように、上目遣いで見つめていた。
「あのね、渡したいものがあるから、ちょっと待っててくれないかなぁ?」
そう言うと美亜は、俺の返事を聞く前に階段をのぼっていった。
リビングの中では、親たちの笑い声が響いている。
少しして、階段をおりてくる音が聞こえた。
「ごめんね、聖ちゃん」
そう言いながら俺の元に来た美亜の手には、
何やら包装紙に包まれたものがあった。