聖なる夜に…



「いや…サンキュー」



ぎこちなくお礼を言うと、

美亜は嬉しそうに笑った。


そんな美亜の笑顔に、なぜか俺の心臓はドキッと音を立てた。


なんで俺、美亜なんかにドキッとしてるわけ?

今までそんなことなかったのに…



「ねぇ、聖ちゃん」



名前を呼ばれ、美亜に視線を戻した。

美亜は俺の両手を掴んで言った。



「美亜の話、聞いてくれる?」



“美亜”


美亜は自分を名前で呼んだ。

いつぶりだろう?

昔は“美亜”と言っていた。

あの頃が、懐かしく頭の中に浮かんだ。




< 15 / 21 >

この作品をシェア

pagetop