聖なる夜に…
「用ないなら来んな。邪魔だから」
俺はいつも、きつい言葉で美亜を突き放す。
美亜はそのたびに泣きそうな顔をして、
去っていく俺の背中を見つめてる。
「聖夜、いいのかよ?
美亜ちゃん、泣きそうだぜ?」
「いいんだよ」
カズはいつも美亜の心配をする。
俺はこの時が1番嫌いだ。
俺が悪者扱いされてるみたいだから。
俺は別に悪くない。
最近めっきりと、美亜と話さなくなった。
理由は特にない。
高校に入って、お互いに友達ができて。
少しずつ俺たちの間に距離があいた。
美亜はその距離を埋めようとするけれど、
俺が突き放してる。