聖なる夜に…
俺の隣で、カズは意味深に笑っていた。
「お前の季節だな」
「はぁ~? 何それ」
「だってもうすぐクリスマスだし」
「はっ? 俺の誕生日、大晦日なんだけど」
何言ってんだ、こいつは。
予定日だったってだけで、俺とクリスマスは関係ねぇし。
カズは相変わらずニヤニヤしながら、横目で俺を見る。
俺は嫌な顔をした。
「なんだよ。気持ち悪い」
「気持ち悪いとかひどくねー!?」
「本当のことだろ。言いたいことあんなら、早く言えよ」
俺はもったいぶるやつは嫌いだ。
せっかちな性格だから。