それでもやっぱり君が好き。
何とか支度が間に合って、お母さんと2人で家を出る。
家から高校までは歩ける距離でも自転車の距離でも無いので、今日は自動車で学校まで行く。
「葵衣さん、準備はいいですかー?真池(まいけ)号、出発進行!」
そう言って、お母さんは車を発進させた。
お母さん、どうしたの…頭おかしいよ…
「何、葵衣、お母さんの頭は普通よ?」
やば、また声に出しちゃった?
「あーごめんごめん、なんでもないよお母さん」
「まったく、葵衣ったら!」
そんな事を話しながら、私とお母さんは、これから私の通う山緑(さんりょく)高校にどんどん近づいていった。