15歳の親

私の言葉を聞いた瞬間、裕太は驚いていた。
信じたくないと…そう思っているように。
きっと喜んでくれると思っていた。
でも、どこかでそうなのかなとも感じていた。
私たちは、すでに別れたのだから。


「…あの、さ…それってオレの子？」


最初、言葉の意味が分からなかった。
何を言っているんだろうと思った。
浮気を疑われていたんだ、だからそう思うのだろう。


「え？裕太の子供だよ？私、裕太以外としてないよ！」


「……そうか。でも…」


続きは、聞きたくないと本能的に思った。


「オレ、好きな子がいるんだ…………」


うつむいて裕太は、小さく呟いた。
当然といえば当然なんだ。
別れてから私たちはかなり経つんだから。


「………堕ろすのか？」


産むのか、とは言ってくれないんだ。
一緒に育てようとは、言ってくれないんだ。
漫画やテレビとは違う現実に悲しくなった。


「………産むよ」


こう言ったら困るとちゃんと分かっていた。
でも、現実はそう言わなければならない。
本当は裕太の反応を見るのが怖い。