15歳の親
「このまま、赤ちゃんがお腹にいると…葉月が死んでしまう…」


お母さんは、小さな涙声で私にそう言った。
私が……死ぬかもしれない………?
現実からかなり離れた言葉に聞こえた。


「まだ、死にたくない………」


声を絞り出すように私は、言った。
まだ、15年しか生きていないんだから。
今からしたい事だってたくさんあるのに。
自分勝手かもしれないけど、私は生きたい。
赤ちゃんも生んであげたいとは思う。
私は、お母さんなんだ、そういい聞かせる。


愛さえあれば、子供を産むことができる?
愛さえあれば、子供を育てることができる?


漫画や小説みたくうまくいかない現実。
それが今、私に重くのしかかってきていた。
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