榎本氏
 杖(桴)を使って演奏する杖鼓は、両面の革に異種の材を用いるのが特徴で、胴端の径と革面径ともに大小がある。後に朝鮮半島に伝わってからは大型となった。

 小竹の上が、清原家で養育を受けるようになって七日目に、瀧雄殿の講義が終わると、清原夏野氏は、榎本英則氏をご自分の書斎へお呼びになった。
 「榎本殿。貴殿のご息女・小竹の上と我が嫡男・瀧雄との婚礼の儀ですが、来る六月二十日に盛大に行うのは、いかかでしょう?」
 「わが娘をもらって頂けるなら、これに過ぎる喜びはありません。」
 ご自身の寝殿にお戻りになると、榎本英則氏は、小竹の上の婚儀日程を、北方・節紫姫に伝えた。英則殿にしてみれば、清原氏からの申し出により、ご自分の息女・四の君以下は外国へ勉学に行かせねばならない、という条件はあったものの、まずは一の君である小竹の上の嫁ぐ日が決まっただけで、大いなる喜びであった。この日の夜は、英則殿は、思い切り節紫姫の豊満な二つの部位を、節紫姫の背中側から、回して楽しんだ。節紫姫も、二つの部位を回されるたびに、背筋を張って部位の両側を自分で膨らませては、ご自身の背の君の楽しみを助長した。英則氏は更に、節紫姫の小さくて固い蕾を指で楽しみ、再び節紫姫の身体を自分の下に組み敷いた。節紫姫は、今日は全く抵抗せず、逆に今までにない快感を味わっていた。英則殿と節紫姫が、夫婦揃ってお互いの身体に酔いしれた、最も幸福な瞬間であった。八二二年、四月二十日のことである。清原瀧雄氏と小竹の上が、婚礼の儀を執り行ったのは、その二ヶ月後であった。
< 26 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop