花ちゃんは今日も頼くんの言いなり


「え、……わ、私!?」



周りの視線はまたまた私に集まって。

隣で美和子ちゃんが「楽しくなってきた」って意味深なことを呟いた。



「早く」



頼くんの言葉にあたふたする私の背中を、美和子ちゃんに思い切り強く押されて、私はいとも簡単にグラウンドの中へと放り込まれた。




「っ、……お、お題は?なんだったの?」



渋々諦めて頼くんの元へ駆け寄れば、一番気になってることを素直に口にする。


わざわざ私を選ぶってことは

【先輩】とか?


それも【女の先輩】だったり?


それとも【ドンくさい奴】とか!?
あれか?【友達のお姉ちゃん】か!?



頼くんからの返事が来るまでに、頭の中でそんなレパートリーを勝手に予想した私は



「赤いハチマキを巻いた女の子」



頼くんの発表したお題に、いよいよフリーズする。最近の私はよくフリーズするけれど、その中でも群を抜いてフリーズしているだろう。



「え、……え?紅いハチマキ?」

「ん、紅いハチマキ」



再度確認してみても、やっぱりお題は【紅いハチマキを巻いた女の子】で間違いなさそう。
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