花ちゃんは今日も頼くんの言いなり


だけど、私はあいにく白組で。
今朝、ドキドキしながら涼くんに交換してもらった白いハチマキを巻いている。


つまり、【紅いハチマキを巻いた女の子】には該当しない。



「頼くん、お題は紅いハチマキだよ!私、白組だからハチマキは白いし、って……」




───シュルッと音を立ててハチマキがほどける音がした。



「……せっかく涼と交換したところ悪ぃけど、白いハチマキは没収な」

「え、あの」



「代わりに」そう言った頼くんが自分の巻いていた紅いハチマキを同じようにシュルッとほどいて、慣れた手つきで私を引き寄せたかと思えば、今度はそれを私の首元に緩く結ぶ。


「今から花は、【紅いハチマキを巻いた女の子】だから」



……嘘。……ほんとだ。私、この短時間で紅いハチマキを巻いた女の子になってる。


って、頼くんのバカ!!!



「こ、こんなのずるだよ、頼くん」

「は?なんで?紅組の女の子、なんて言われてねぇもん。紅いハチマキ巻いてりゃいいんだろ」



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