花ちゃんは今日も頼くんの言いなり
「あぁ、その辺、テキトーに置いといて」
頼くんの声はいつも通り。
さっきまでの熱を一切感じ察せない口調に、もしかしたらさっきの出来事は全部夢だったのかもしれない……なんて、一瞬本気で思ってしまった。
だけど、唇に残る頼くんの熱や、まだ鎮まってくれない心臓の音が、あれは夢なんかじゃないことを伝えてくる。
「あ、えっと……お邪魔してます!」
「うん、いらっしゃい。今日はなに?2人で勉強会ってとこ?」
頼くんの指示通り、マンガ本を入口すぐに重ねた涼くんは、すぐに私と頼くんへ向き直って、テーブルの上に散らばったワークやシャーペンに視線を落としたあと、小さく首を傾げた。
「私、一人だとすぐ他に気を取られちゃって勉強に集中できないから。頼くんが一緒に勉強してくれることになったんだ」
なるべく明るく、平常心……平常心。
そう自分に言い聞かせている時点で、平常心なんて保ててなくて。
「なんだ、そういうことなら俺も誘ってよ。一人だけ仲間はずれは寂しいじゃん」
普段と変わらない口調で冗談を口にする涼くんには、冗談が分かりにくい人ナンバーワンの称号を与えたい気分だ。
頼くんの声はいつも通り。
さっきまでの熱を一切感じ察せない口調に、もしかしたらさっきの出来事は全部夢だったのかもしれない……なんて、一瞬本気で思ってしまった。
だけど、唇に残る頼くんの熱や、まだ鎮まってくれない心臓の音が、あれは夢なんかじゃないことを伝えてくる。
「あ、えっと……お邪魔してます!」
「うん、いらっしゃい。今日はなに?2人で勉強会ってとこ?」
頼くんの指示通り、マンガ本を入口すぐに重ねた涼くんは、すぐに私と頼くんへ向き直って、テーブルの上に散らばったワークやシャーペンに視線を落としたあと、小さく首を傾げた。
「私、一人だとすぐ他に気を取られちゃって勉強に集中できないから。頼くんが一緒に勉強してくれることになったんだ」
なるべく明るく、平常心……平常心。
そう自分に言い聞かせている時点で、平常心なんて保ててなくて。
「なんだ、そういうことなら俺も誘ってよ。一人だけ仲間はずれは寂しいじゃん」
普段と変わらない口調で冗談を口にする涼くんには、冗談が分かりにくい人ナンバーワンの称号を与えたい気分だ。